将棋の裏格言
将棋の格言はたくさんあるが、棋書などであまり語られてこなかったであろう将棋のコツを「裏格言」と称して紹介していこう。しかし、必ずしもその教え通りにやるべきというわけではなく、そういう考え方もあるという風に捉えてほしい。内容は人から聞いたり本で読んだりしたもので、文言は私が勝手に作った。説明文は私なりの解釈といったところである。
【穴熊の2筋の歩の突き捨ては同歩と取るな】
先手振り飛車穴熊VS居飛車で考えた場合は、△26歩や△25歩の突き捨てのことだ。
このような玉頭の突き捨てを取らずに放置し△27歩成▲同銀(同金)とさせて、将来▲23歩などの反撃に使うべきとの教えである。
もちろん相振り飛車や相居飛車での穴熊ではなく、対抗形での話である。
【不利なときは飛車を狙え】
これは割合有名かと思うが、優勢なときでも飛車を狙われるのは心理的にイヤなものなので、それを狙っていこうということだ。
【三枚の攻めは切れない】
四枚ではなく、である。四枚の方の格言は昔から言われていたが、最近は全体的に攻めの技術が上がってきたために三枚でつながってしまう場合も多いということだ。
【優勢なときは何もするな】
これも勝ち方の技術が上がってきたことに起因する。
優勢な時に攻めて決めにいくよりも、じっと自陣を整備したり、遊び駒を活用するなど、確実にプラスの手を指して、手を渡す方が勝ちやすい場面も多いということだ。
相手に何かやってきてもらって、それに対応して勝ちに近づくイメージである。
【手が分からないとき、持ち駒は安い駒から使っていけ】
いきなり大駒から使うのはリスクが高く、歩を使うのはリスクが低い。
悪い手を指さないために、実践的な考え方となる。
最善手を追い求めるための教えではなく、手が分からなくてとりあえず指す手を選択したいときに役に立つ。
【序盤がうまくなると終盤が弱くなる】
序盤が下手でも腕力で逆転勝ちするタイプの棋風だった人が、序盤を勉強してうまくなると、粘りの力などが落ちて終盤が弱くなるということだ。なんとも皮肉な話である。