過去の動画を振り返るお
【初めての将棋実況】
下の図は、初めて録画してYouTubeにアップした記念すべき将棋の終盤戦だ。
3分切れ負けで、七段の強敵相手。
戦型は四間飛車穴熊VS居飛車穴熊の相穴熊だった。
奨励会を退会になってからプログラミングの勉強を毎日していて、将棋に触れる時間はごくたまにネットで指すときぐらい、という時期だ。
残り時間は私が12秒で相手の方が8秒。
後手玉には簡単な詰みが発生しているのだが、私は詰まし損ねてしまった。
よろしければ御一考くださいませ。
私はここで▲42金と打ってしまい、その後のミスもあり負けてしまった。
正解は1段目に飛車を打つ手であり、1段目ならどこから打っても詰みだ。
例えば▲41飛と打って、△同玉なら▲42金。
▲41飛に△22玉なら▲21金△32玉▲42歩成といった要領。
▲42金が「金はとどめに残せ」という格言に反する悪手で、△22玉でおかしくした。
まだそこで▲32金と捨てれば詰んでいたのだが、「悪手は悪手を呼ぶ」ということで▲32飛と打った手が敗着となった。
動画投稿の門出としては、なかなかにひどい内容となった。
【将棋実況の真髄】
動画投稿を始めた当初から、将棋実況において極めて大事だと思っていることが2つある。
1つ目は「継続すること」
12月の初めにやむを得ない事情で数日間アップできなかったとき以外は、今のところ毎日アップしてきた。
自分の師匠が将棋道場を何十年もずっと続けている姿を見てきて、そんな師匠をとても尊敬しているしめちゃくちゃかっこいいと思っているし、畏怖している。そんなうしろ姿から、続けることが何より大事と教わった。私は継続教信者である。
もう1つは「負け将棋をアップすること」
私も人の子なので、「一発目から、このひどい、恥ずかしい負け方の将棋をわざわざアップするのか?イヤやなあ」という思いがよぎった。
負け将棋、それも内容の悪い敗局を見られることは、普通は楽しくないし恥ずかしいしつらいことである。
しゃべる内容も必然的にどんよりしてしまいがちで、見ている方も楽しくないかもしれない。
しかし、負け将棋をアップすることが将棋実況の真髄、という風に何となく感じていたので何とかアップできた。奨励会で鍛えてもらったからこそ持つことのできた矜持によって、アップできたような気がする。
勝ち将棋ばかりをアップするスタイルも個人の自由なのでもちろん良いのだが、それは「勝ち将棋実況」という全く別のジャンルであり、到底「将棋実況」と呼ぶことはできないと思っている。
しかし、私も負け将棋(勝ち将棋でも)で、しゃべった内容があまりにも暗すぎて卑屈になってしまった場合はお蔵入りにしている(笑)。